痴呆の母に教わったこと（イデア教養文庫０４　公式サポートホームページ）

母のジョークの続きです。

最近は、自分の母親が亡くなったことを、だんだんと認識しているようです。父や自分の弟が亡くなったことを話してもそれほどのショックを受けていません。

知っている人もほとんど死んでしまったので、「次はおばあちゃんの番だよ」と、私が母のことをいうと、「わからないよ。お前の方が先かもしれないよ」と言います。

母はよくジョークを言っていたのですが、最近は自分の気持ちに余裕がないのか、あまり聞かれません。

ところが、先日のＮＰＯ法人の事務局会議の後に理事長の質問に対してジョークをいったようです。

小石川後楽園の庭園を歩きながら、「３人の息子さんはそれぞれ立派な大学に入られたようですが、一番頭が良かったのはどなたですか。」と質問したときの答えが、「そうね。私かしら。」と答えたそうです。

日付は変わってしまいましたが、今日から２週間のショートステイに入りました。

出かけるときに顔の雰囲気が違うので良く見えたら、上の入れ歯がありませんでした。

下の入れ歯は少し前からなくなっていましたが、今度は上の歯もどこかにしまったようです。

もしかすると、トイレに流してしまったのかもしれません。

慶應義塾大学が「長寿社会における高齢者の暮らし方に関する学術調査」というものを実施していますが、母もその調査対象になりました。

まだ全部の検査結果は出ていませんが、血液検査では相変わらず、すべてが基準値の範囲内になっています。

この基準値は健康な成人（２０歳から６０歳くらいまで）の平均値なのです。８０歳以上になるとこの基準値がら外れることがありますが、それは決して異常ではないことを示すために、今回８５歳以上の高齢者のデータを集めているようです。

その他では「左室肥大、上室性期外収縮」ということで心電図に軽い異常があるとのこと。

「定期的に検査を受けてください」ということですが、まだ病院には行っていません。私も不整脈がありますから、一緒に検査をすることになるかもしれません。以前検査ミス（だと思いますが）をされた病院には行きたくないです。

　医者のほうも私の心臓を診て「たちの悪い心臓だ」と言っていました。検査中にとんでもない動きをしたからでしょう。「今度具合が悪くなったら、また検査を受けてください。他の病院でもよいですから」と言っていたので、自分ではもう診たくないのだと思います。

散歩から帰ってきたら、母がポケットから無造作に紙切れなどを取り出していました。

また、いろいろなものをポケットにしまいこんだと思っていたら、なんと１万円札が何枚も重なって折ってあるものが出てきました。

びっくりしてみたら、どうやら私が昨日皐月賞で儲けた８万円らしいです。家に帰ってからお金を数えさせたのですが、そのあと当然回収をしました。

たぶん夜中におきて、私のかばんの中から取り出したのでしょう。それで珍しく天気が良いのに朝から寝ていたのかもしれません。お金を手に入れたから安心して寝ていたのでしょう。

散歩の途中で落ちなくて本当に良かったです。

母はときどき私の鞄の中のものを取り出します。今年の手帳がまだ行方不明なんですが、私がどこかに忘れた可能性もあります。