痴呆の母に教わったこと（イデア教養文庫０４　公式サポートホームページ）

今月はかなりのペースで徘徊されています。

昨夜で１０回目。

そのうち半数の５回が警察に保護されています。

最近は、すぐに警察に保護されてしまうので、私が長時間探すことがなくなりました。

通行人が、明らかに徘徊とわかるような格好になっているからでしょう。

今朝は珍しく、長いせりふをはっきりと言っていました。

「どうしてよいのかわからない」

「何か悪いことでもしたのかなあ」

「どこにも行けない」

「どこかに行ったら道がわからなくなる」

「どうしたらよいのかなあ」

いつもは何をしゃべっているのかわからないのに、今朝はびっくりするほど明瞭です。

しかも、徘徊する心配までしている。

昨日は朝から展示会場に連れて行って、相当疲れたのだと思います。

会場内で、「もうこんなところへは来ない」などとも言っていました。

昨夜は良く寝ていました。精神的に疲れたので、脳もゆっくり休めたのでしょう。

よく寝たから、脳の働きも良くなったのかもしれません。

先ほど徘徊した母を見つけましたが、自宅近くのコンビニで。

私は店に行ったのかと思って、そこまで探しに行って戻ってきたときに発見しました。

コンビニの前でウロウロしていたので、これでは通行人がコンビニに通報するはずだと思いました。最近このコンビニから警察に連絡というパターンが多いのです。

どこに行ったのかを聞いたら、「郵便局に行ってきた」。

確かに、そちらの方向は探しに行かなかった。その郵便局の方向に真っ直ぐ行くと、私の小学校のときの同級生がいる家の近く。彼女の家の近くでも何度か保護されている。

店を通ってそちらに行ったのかと思っていましたが、そちらに直接向かう道も行く可能性があったことがわかりました。

昼間の母は、何を話しているのかわからない状態です。「トイレ」なども正しく言えずに、用語が全く出てこない。

でも、寝ているときはわりあいとはっきりしています。
「どこに行くの？」
と言った後で、目をさまし、夜中に起きている私を見て、
「どこに行くの？」
「神楽坂？」
「朝になったら行けばよいのに」
という感じで、意味が通じます。

また、すぐに寝ていますが。

昼間は、あれこれ考えるからパニックになるのでしょう。
昼間でも、他の人から話しかけられると普通に対応するのが不思議です。